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マイナンバー制度に抵抗がある人の多くは、

個人情報が他に漏れてしまうのではないか、悪用されるのではないかという事柄に、

激しい疑念を抱いています。

 

マイナンバー制度が導入されて使い続けていく中で、本当に個人情報は守られるのか、

マイナンバーが記されているカードで読みとれる情報の種類と、

紛失した場合や番号を知られてしまった場合に起こりうる事柄、

情報漏えいに対してどのような対策が行われているかについて説明します。

 

マイナンバーの「通知カード」と「個人番号カード」

 2015年内に日本に住民票を保有する全ての人に、

マイナンバーを記した「通知カード」が簡易書留で郵送されます。

この「通知カード」には、マイナンバーと氏名、

住民票の住所と生年月日、性別、発行日が記載されています。

 

国民にそれぞれのマイナンバーを通知することが目的のカードですので、

身分証明書として使用することはできませんが、

マイナンバーの提示が求められた時には、利用することができます。

 

会社や市区町村の窓口、税務署などで使用する場合には、

「通知カード」は常に他の身分証明書(運転免許証やパスポート)と併せて、

提示することが求められます。

なお、「通知カード」はマイナンバーを本人に知らせる目的のカードですので、

有効期限なども決まっていません。

 

一方、通知カードと同時に郵送される「個人番号カード申請書」を送付することで、

「個人番号カード」の発行申請をすることができます。

郵送以外にも、パソコンやスマートフォン、一部の証明用写真機でも

「個人番号カード」の発行申請を行えます。

 

個人番号カードの発行は任意ですが、

写真を載せますので身分証明書としても使用できるだけでなく、

マイナンバーの提示と本人確認が1枚で行える証明書として便利に利用できます

 

個人番号カードの表面には、氏名と住所、生年月日と性別、有効期限、

そして発行の際に提出した顔写真が載せられます。

裏面には、マイナンバーと氏名、生年月日とICチップが記載されます。

20歳未満の場合の有効期限は5年、20歳以上の有効期限は10年です。

 

マイナンバーや個人情報カードで分かる個人情報

 

個人情報カードのICチップには、

税務署などの公的機関で利用される領域と、

国税電子申告などの電子証明書を格納する領域

そして地方自治体や国が用途を定めることができる空き領域があります。

 

ですが、全ての情報がICチップで一元管理されるのではなく、

利用する際に必要な情報だけを取り出せる方式(多元管理方式)になっています

 

ですから、マイナンバーを他人に知られてしまっても、

個人情報カードを紛失したとしても、

税金や資産などの情報がただちに漏洩するわけではないと総務省では説明しています。

 

マイナンバーが悪用されないための対策

 

マイナンバーが他人に知られてしまっても、

個人情報カードをなくしても個人情報はすぐには漏えいしないと政府は説明していますが、

どのようなデータもハッキングの恐れから逃れられないのと同様、

個人情報の解読が絶対にされないとは言い切ることができません

 

実際に、今までも様々な企業や団体で個人情報が外部に持ち出されたり、

不正アクセスされたりすることがありました。

公的機関でもある「日本年金機構」においても、

2015年6月に、不正アクセスによって125万件の情報が漏えいしました。

 

そのような「もしものとき」のために、

政府はどのような情報漏洩対策を行っているのでしょうか。

 

マイナンバー情報漏洩対策1:処罰の厳格化

政府は、立ち入り検査権を有する第三者機関「特定個人情報保護委員会」を設立し、

情報が不正使用されていないか、漏えいしていないかチェックしています。

 
そしてただチェックするのではなく、

情報漏洩対策の一環として、処罰の厳格化を行っています。

例えば、個人情報を扱う立場にいるものが知り得た情報を漏らすなら、

3年以下の懲役または150万円以下の罰金、もしくはその両方が科せられます。

国や地方公共団体の職員などが、個人の情報が記された文書を収集した場合は、

2年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。

 

民間団体においてもマイナンバーを扱う者が、

正当な理由なしに個人情報が記されたファイルを第三者に提供すると、

4年以下の懲役または200万円以下の罰金、もしくはその両方が科せられます。

その他にも、マイナンバーを自己や第三者の利益のために使用した場合は、

3年以下の懲役または150万円以下の罰金、もしくはその両方が科せられます。

 

悪意を持って情報を悪用したり漏洩した場合だけが罰せられるのではありません。

情報漏洩対策を適当に行ったり、

マイナンバーの扱いや管理に充分な注意が払われていない企業や団体は、

「特定個人情報保護委員会」が発見次第、実名で公表されます。

社会的信用が急落しますので、

実刑や罰金がないとしても甚大な損害を被ることになります。

 

マイナンバー情報漏洩対策2:システムの強化

マイナンバーで個人情報の漏えいが行われないようにするために、

マイナンバー閲覧サイトのセキュリティ対策や、

マイナンバー利用業者や国民に対する注意の喚起活動など、

システム強化や広告活動を含む初期投資に3000億円がすでに使用されています。

 

マイナンバーは全ての国民が対象となりますので、

何を行うにしろ費用も膨大になってしまいます。

例えば、「通知カード」は世帯ごとの送付となりますので、

5000万件以上の簡易書留が利用されたことになります。

簡易書留は最低料金が392円ですので、

通知カード発送だけでも約200億円が使われたことになるのです。

 

マイナンバーは重要な個人情報そのものと言えます。

今後も、郵送の際には個人情報を守るために、

簡易書留など何らかの補償がある手段が利用されることになるでしょう。

使われる郵便代金だけでも莫大な額になることが予測されます。

 

また、どんなシステムでも盲点があるものです。

マイナンバー制度を実際に進めていくうちに、

情報管理が十分でない点が見つかっていくことでしょう。

その度に費用を掛けて、システムの強化が行われることになります。

 

もちろん、お金を掛けることだけが「システム強化」を意味しているのではありませんが、

充分にお金を掛けていくことが、「システム強化」につながるのも事実なのです。

 

個人情報漏えいを防ぐために個人ができること

 

2016年1月から、公的機関ではマイナンバーが利用されることになります。

また、任意ですが金融機関でも新規口座にはマイナンバーを登録することになります。

 

社会保障関係や税関係では、マイナンバーの使用は必須となりますので、

提示が求められた場合は正直に提示・記入する必要がありますが、

その他の場所では、マイナンバーを不用意に使用しないように心がけなくてはいけません

 

公的機関を装った業者や個人が増えることが予測されますので、

本当にマイナンバーが必要な状況なのか常に慎重に見極め、

必要ならば名刺や身分証明書の提示を求めるようにしましょう。

 

また、2016年と2017年にマイナンバーが必要になるのは

社会保障・税金・被災者関連だけであること、

2018年以降は、これら3つに金融機関が加わること、

その他の分野においてマイナンバーが利用されるかはまだ決定していないこと、

この3点だけは覚えておきましょう。

 

社会保障・税金・被災者関連以外の分野でマイナンバーの提示を求められたときは、はっきりと提示を拒絶をするか、一旦提示を保留にして、内閣官房の「マイナンバーコールセンター」に尋ねましょう。