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マイナンバー制度についてお伝えいたします。

資産状況が全て国に知られてしまうのでは?と不安になる方や、

税金の追加徴収があるのでは?と恐れる方も多いです。

 

ですが、マイナンバー制度について詳しく理解し、

各方面における対策ができているなら、何ら恐れることはありません。

マイナンバー制度で損をしないためにも、

まずはマイナンバー制度とはどのような制度なのかを知っておきましょう。

 

マイナンバーの基礎知識1:対象と通知方法

  

マイナンバーは、日本国民全てに付与される12ケタの数字を意味します。

日本に国籍を持つ人だけでなく、

日本に住民票を持っているなら外国籍の人もマイナンバーの対象となります。

 

2015年10月から簡易書留によって配送されていますが、

2015年11月19日時点では九州地方は5%、

全国平均も10%程度と配達の遅れが目立ち、

11月末までに全国民に配達すると言う当初の目標は果たせずに終わりました。

 

マイナンバーの基礎知識2:導入する理由

 

政府はマイナンバーを導入する理由を、次の3つと説明しています。

 

マイナンバー導入の理由1:国民の利便性向上

児童手当の請求などの手続きを行う時に、

何度も住所や氏名・生年月日などの情報を繰り返し記入しなくてはなりません。

ですが、マイナンバーを導入することで簡単に本人確認を行うことができれば、

他の情報を記入する必要はなくなります。

高齢の方や視力に困難を抱える方などの細かな手続きをすることが負担な方にも、

メリットは多いと言えます。

 

マイナンバー導入の理由2:行政の効率化

手続きする側にとっての不便は、

手続きを処理する側にとっても不便を意味します。

 

行政処理を行う度に姓名・生年月日・住所などの各項目をチェックしていたのが、

マイナンバーに個人情報が連結されるようになれば、

チェック項目が劇的に減りますので、事務にかかる時間を大幅に短縮できます。

 

また、今までは住所の記入方法の違い(マンション名の省略や丁目の省略)など、

明らかに同一住所を示していても、

記入方法が違うだけで書類を差し戻しているケースも非常に多くありました。

 

特に京都市内などのように、住所が「通り名」と「町名」の2通りある場合などは、

運転免許書発行や証券口座発行の度に、住民票に登録された正確な住所記入が求められ、

書類を受け付けるだけで何度も郵便物を往復させることも珍しくなく、

その度に郵便料金や申請者・事務の手間が増えていました。

 

ですが、今後はマイナンバーと身分証明書の提示だけでほとんどの申請が終わりますので、

時間だけでなく郵便代金の削減にもつながります

 

マイナンバー導入の理由3:行政サービスの公正化

不規則に行われる子育て支援金などの行政サービスは、

各家庭への郵便物やポスターなどの掲示物で何らかの告知が行われます。

 

ですが、行政サービスを受ける対象の人が

どのような手続きをして受け取るのかを理解しなかったり、

そもそもそのようなサービスがあることに気付かない場合は、

せっかく受けられるはずのサービスを逃してしまうこともあるのです。

 

例えば、平成23年度から、二酸化炭素の排出を抑える設備や

再生可能エネルギーを生み出す設備を導入すると、

「グリーン投資減税」や「エコカー減税」「グリーン化特例」などの

減税や優遇制度などを利用することができます。

 

ですが、これは規定を満たす手続きを行った人だけが利用できますので、

設備やエコカーを購入する際に販売者側が説明をせず、

購入者自身もそのような制度があることを知らないなら、

せっかくのメリットを享受することができません。

 

同じ設備やエコカーを購入した人でも、

制度について知っている場合と知らない場合では、

数十万円以上の金銭的な違いが生じてしまうのです。

 

マイナンバー制度が導入されるなら、

制度を利用したかどうかのチェックも瞬時に行えますので、

サービスについて知っていた人だけが得をするということはなくなり、

公平に公的サービスや優遇税制が利用できるようになります。

 

また、2017年から利用が開始されるオンラインサービス「マイナポータル」では

「電子私書箱」を使って、行政から個人へのお知らせを受け取ることができるようになります。

各自が利用できる行政サービスの「利用漏れ」「申告漏れ」も劇的に減ると予想できます。

 

マイナンバーの基礎知識3:適用範囲

 

では、マイナンバーはどの分野に利用されるのでしょうか。

 

マイナンバー適用分野1:社会保障分野

国民年金や国民医療保険・介護保険など、

社会保障の分野での利用が第一に挙げられます。

マイナンバーは国民の福利のために導入されるシステムですので、

受給漏れや受給資格誤認などがあってはなりません。

 

もちろん、徴収漏れもあってはいけませんし、

受給資格がないのに受け取ることがあってもなりません。

正しく社会保障が適用されているかのチェックをマイナンバーを活用して行います。

 

マイナンバー適用分野2:災害対策分野

被災者が受けられる生活再建支援金の手続きをスピーディに行います。

被災時は、通常の場合よりも本人確認や申請に手間取ってしまいますが、

マイナンバーを導入することで手続きが簡易化され、

必要な支援を迅速に提供することが可能になるのです。

 

また、被災時は、本人を確認する書類が提出できないこともあります。

それを悪用して、被災者ではないのに被災者になりすまし、

不正に公的支援を受ける人や団体も少なからず存在します。

マイナンバーを利用することで、住民票の住所が確実に確認することができれば、

そのような悪質ななりすましも減少すると期待できます。

 

マイナンバー適用分野3:税分野

国民の義務の1つである「納税の義務」を滞りなく果たすために、

確定申告などの税務署に提出する書類にマイナンバーが適用されます。

意図的な脱税だけでなく、悪意のない脱税も同様にチェックされるのです。

 

その他にも、社会保険の正しい利用にも期待が持たれます。

マイナンバー制度が導入されるまでは、複数の会社に勤めている人は、

収入をもっとも多く得ている会社でのみ社会保険を納めていました。

 

厳密な意味では違法行為であることが分かっていながらも、

複数企業で勤めている場合の社会保険料の計算が複雑なこともあり、

ほとんどの場合が見過ごされていました。

 

ですが、マイナンバー制度が導入されて、

複数企業にまたがった収入がある場合でも包括的に把握できるようになると、

1つ1つの企業における社会保険料が正確に計算され、

正しく支払いが行えるようになるのです。

 

マイナンバー適用分野4:銀行や会社などの民間

社会保障分野と災害対策分野、そして税分野への適用が優先されますが、

導入が順調に進んだ場合は銀行などの金融機関や

税金を代納する会社にもマイナンバーが必要となります。

また、2017年以降には、社会健康保険や厚生年金にもマイナンバーが必要となるのです。

 

これらの民間機関へのマイナンバー導入が完了すると、

国民全ての「お金」にかかわる行動が管理されることとなるのです。

 

マイナンバー適用分野5:医療機関

現在、医療機関へのマイナンバー導入も検討されています。

生命にかかわる疾患がある人や、特殊な体質・疾病を有する人の場合、

急変時にどれだけ迅速に適切な処置を行うかで

生存率や治癒率が大きく変わってきます。

 

そこで、かかりつけの医療機関以外でも適切な処置を受けられるように、

治療歴や通院歴もマイナンバーで管理することが検討されているのです。

 

ですが、情報管理が甘く、病院以外の場所で治療歴や通院歴が露見してしまうなら、

場合によっては偏見や差別を生むことにもなりかねません。

メリットだけではなくデメリットも考慮して、

よりよい福祉が提供できるように考えてもらいたいものです。

 

マイナンバー適用分野6:犯罪歴

犯罪歴もマイナンバーで管理する方が良いのではという案もあります。

性犯罪などの再犯率が高い犯罪を未然に防ぐことが目的ですが、

冤罪の場合や、心から悔い改めている場合には、足かせともなります。

これも医療歴と同じく、慎重に検討することが必要な分野と言えます。

 

マイナンバーの基礎知識4:情報管理

 

マイナンバーで登録されている情報は、どのように管理されるのでしょうか。

もちろん個人情報ですので、他人の情報を閲覧することはできません。

行政機関などの公的機関で個人情報が必要になる場合に限り、

必要となる情報だけを閲覧することができるのです。

 

例えば、市役所や区役所の職員が、子育て給付金の手続きを行う時に、

マイナンバーによって住所を確認することは可能でも、

その家庭の所得や金融資産などの給付金支給とは関連のない情報は

閲覧することはできません。

 

2017年1月からは

「情報提供等記録開示システム(マイナポータル)」が稼働予定です。

これは、自分の個人情報が行政機関でどのように扱われているかを

各自が確認することができるシステムです。

もちろん、他人のマイナンバーを利用して、

他人の個人情報の取り扱いをチェックすることはできません。

 

マイナンバーの基礎知識5:個人での管理

 

マイナンバーが記されたカードは、

2015年内に日本に住民票を持つすべての人に配布される予定です。

この簡易書留で郵送されるカードは、「通知カード」と呼ばれます。

この通知カードには、氏名と住民票の住所、性別、生年月日、

そして12桁からなるマイナンバーが記されています。

 

また、通知カードには「個人番号カード交付申請書」が同封されます。

この交付申請書に記入して所定の手続きを行うと

「個人番号カード」が発行されます。

 

この「個人番号カード」とは、マイナンバーと顔写真が記されたカードで、

今後は、パスポートや運転免許証と同様に、

本人確認書類として利用できるようになります。

 

パスポートや運転免許証などは、基本的に有料です。

取得するにも発行するにも費用がかかります。

ですが、個人番号カードは、市区町村の役所に赴き本人確認さえすれば、

だれでも無料で発行することができます

パスポートや運転免許証を保有しない人も、

顔写真入りの身分証明書を発行することができるようになるのです。

 

その分、取り扱いには慎重になる必要があります。

印鑑や保険証以上に多くの情報を統括するものとなりますので、

  • マイナンバーの通知カード
  • 個人番号カード
  • マイナンバーが記された書類
の3点は、厳重に管理してもしすぎることはありません。

 

なお、マイナンバーの通知カードの有効期限はありませんが、

個人番号カードは顔写真を入れますので、

パスポートと同じく未成年は5年、成年は10年の有効期限となります。