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マイナンバー制度が実施されることで、

国や自治体は個人の納税状況を簡単にチェックできるようになります。

結果として、今まで税のとりこぼしがあったところからも徴収できるようになり、

国や地方自治体は税収が増えることが予想されます。

 

当然のことですが、全ての国民の税金が増えるわけではありません。

マイナンバー制度によって

税金が増えるのはどのような人や団体なのか説明いたします。

 

マイナンバー制度で増税する人と団体1:収入が複雑な人


1つの会社に勤めているだけの人の場合は、収入を把握することが簡単です。

会社から得られる給与に対して所得税と住民税が課せられるだけですので、

税務署も簡単に税金が把握できるだけでなく、納税漏れもありません。

税金だけでなく社会保険料の計算も簡単に行えますので。

保険料の未納や、年金の未払いなども起こりにくいと言えるでしょう。

 

ですが、

  • ネットオークションで利益を得ている場合
  • 単発の仕事を不定期に行っている場合
  • 複数の仕事を掛け持ちで行っている場合
  • 「お礼」などの形で金銭を受け取ることが多い場合
  • 不動産収入がある場合

このように、複数の収入源があるひとや、収入自体を把握しにくい複雑な人は、

今までの場合は本業以外の収入が目を引くほどに多額でない場合は、

たとえ申告漏れがあったとしても、

税務署による調査が実施されずに事実上放置されていました。

 

ですが、マイナンバー制度が導入され、

全ての所得につながる金銭のやり取りにマイナンバーが必要になることで、

たとえ収入が本人も把握できないくらい多岐にわたったとしても、

同一人物が得ている収入の額やどこから収入を得ているかについて、

税務署や住民課は簡単に把握できるようになるのです。

 

収入が多岐にわたっている場合でも、

全ての収入を把握してきちんと確定申告を行い

所定の額を納税している人は税金額は増えませんが、

納税漏れがある人や申告漏れがある人は、

結果的に納税額が増えることになってしまいます。

 

マイナンバー制度で増税する人と団体2:資産が複雑な人

 

家を1件だけ保有している。車は1台しか保有していない。

そのような場合には本人も行政側も納税額を把握しやすく、

納税漏れ・申告漏れは起こりにくいと言えるでしょう。

 

ですが、居住する土地から離れたところに不動産を保有していたり、

相続があいまいになっている不動産があったりする場合、

また、だれも住んでいない家や、会社名義の土地や車などがある場合は、

全てを行政側が把握することはほぼ不可能でした。

 

2016年1月以降は個人を特定するマイナンバー制度が導入されるだけでなく、

法人を特定し法人情報を公開する13桁の番号「法人ナンバー制度」も導入されます。

これらによって、個人資産や会社名義の資産も、

すべてが行政の監督下に置かれることになるのです。

 

複雑な資産を持つために、

意図的あるいは知らず知らずに税金を支払っていなかった場合も、

資産と個人、資産と法人をシンプルに把握するシステムができることで、

税金逃れをすることができなくなるのです。

 

マイナンバー制度で増税する人と団体3:領収書が発生しない業種

 

領収書を発行すると言うことは、

サービスや商品を提供した人や団体と、領収書を受け取る、

つまりサービスや商品を受け取る人や団体が存在することを意味します。

単純に見るならば、

所得が発生したと言う公的証拠・公的記録が「領収書」をいうことができるのです。

 

ですから、領収書のやり取りを行う業種の場合は、

収入や支出をごまかすことはかなり難しくなりますが、

領収書を使用しないで収入を得る業種は、

簡単に収入や支出をごまかすことができるとも言えるのです。

 

ですが、収入を得ても領収書を発行しない業種の場合は、

どれだけの利益があったのかを税務署が把握することができません。

領収書を発行しない遊興業やサービス業、ボランティアと仕事の堺があいまいな業種、

ベースとなる事務所を持たないで各地のイベントに参加する業者などは、

利益の証明となる「領収書」がありませんので、

収入を元に所得税や住民税を計算することが非常に難しくなるのです。

 

また、飲食店などの場合は、仕入れ額から収益を単純計算することができません。

同じ10万円で食材を仕入れたとしても、

店によっては15万円しか収益を得ないこともありますが、

付加価値が大きい高級飲食店の場合は50万円の利益を生むこともあります。

原価率が店によってまちまちですので、

仕入れ額を把握したところで、収入を類推することができないのです。

 

ですが、マイナンバー制度が金融機関にも導入され、

個人や法人の金銭の流れが把握されるようになったなら、

領収証が発行されていない場合でもどの程度の収益が上がったのかを

おおまかに把握することができるようになります

 

マイナンバー制度が導入されるまでは税金を納めていなかった業者や、

所得を低く申告して不当に少額の税金を納めていた業者も、

税金逃れができにくいようになるでしょう。

 

マイナンバー制度で増税する人と団体4:納税していない団体

 

「反社会的勢力」や「暴力団」というと、

納税していないイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

一見、普通の企業のような名前を掲げている団体や、

実際に企業としての活動を行っている団体もありますが、

基本的には、正しく税金を納めているケースはないと言っても過言ではないでしょう。

 

そのような「反社会勢力」や「暴力団」には、主に次の2つのお金の動きがあります。

  1. 密輸や密売による公にできない収入
  2. 元締めとなる個人や団体、グループ上位の団体への上納金

これらのお金が、マイナンバー制度の導入によってどう変わるか

また、どのように課税対象になるのか見ていきましょう。

 

1.密輸や密売による公にできない収入

もちろん、密輸や密売は違法行為です。

密輸・密売を行っていることも、

マイナンバー制度が導入されて資金の流れが把握しやすくなると明るみに出やすくなります。

ですが、密売から得られた利益を「正規の利益」と認めて税金をかけるということにはならず、

摘発して検挙を行いますので、税務署ではなく警察の管轄になります。

 

2.元締めとなる個人や団体、グループ上位の団体への上納金

反社会勢力や暴力団の上納金は、一般企業の「ロイヤリティ」に相当します。

ロイヤリティは課税対象となりますので、

例えば1億円のロイヤリティを支払っているなら約4000万円の税金を納めなくてはなりません。

正しく税金を納めていないことがマイナンバー制度の導入によってつきとめられるなら、

国税当局や警察署・地検が協力して摘発し、所得税の納税を迫ることが事実上可能になります。

 

金銭の流れをマイナンバーや法人ナンバーで把握することで、

納税を行っていなかった団体へも切り込むことができるのです。

税金の徴収やペナルティを与えることで、金銭的に反社会勢力を抑制することができ、

結果的には勢力の縮小にもつながります。

 

マイナンバー制度で増税する人と団体5:顧客が定まっていない業種

 

領収書を発行しない売上に対して課税が難しくなるのと同様、

顧客が定まっていない商売に対しても課税は難しくなります。

 

ほとんどの企業は、仕入れ先や取引先がある程度固定されています。

不透明なお金の流れがあっても、仕入れ先や取引先などを洗っていけば、

どの部分で申告漏れもしくは脱税が起こったのかが分かります。

 

ですが、飲食店や遊興業などのように顧客が定まっていない場合には、

資金がどのように流れているかを内部告発以外で把握することは

非常に難しいと言わざるをえません。

 

マイナンバー制度と法人ナンバー制度が導入されることで、

法人の収益と役員やオーナー・社員の収入の関連が明らかになれば、

顧客が定まっていない場合でも、

どれだけの収益を上げているかが一目瞭然になるでしょう。

 

マイナンバー制度で増税する人と団体6:公益法人など

 

公益法人とは、事業による収益のない団体を意味します。

事業による収益には法人税が課せられますが、

収益を上げていない法人に対しては、法人税は発生しません。

そのため、公益法人には税務署の調査があまり入りにくいのも事実です。

 

もちろん、収益を上げていないと言うことは、収入がないということを意味しません

多くの公益法人は、補助金や助成金などの公的機関からの収入があったり、

排水管の点検など「公益性があるとみられる事業」に対する収入があったり

意外と多くの収入を上げているものなのです。

 

ですが、公益法人の役員などの金融資産や不動産などが

マイナンバー制度の適用によって税務署で一括把握されれば、

公益法人から役員(個人)がどれだけの収入を得ているかも明るみに出ます

 

不正に収入を得ているケースや、法人の所有物を私有化しているケースも、

資金と税金の流れを把握することで発見しやすくなるでしょう。